AI半導体相場を支えているのは、NVIDIAの決算だけではなく、Microsoft、Amazon、Alphabet、MetaのCapex総量だ。2025-2026年の急増はすでに見えている。問題はその先、2030年まで続くのか、2035年にはどうなるのか。本記事では、Big 4の2020-2026実績/ガイダンス、Goldmanの2030年累計見通し、IEAの電力需要シナリオを重ね、低位・標準・高位の3シナリオで『AI Capexの山』をグラフ化する。

AI半導体相場を支えているのは「今年どの会社が一番使うか」ではなく、ハイパースケーラー全体が、何年にわたり、どれだけCapexを突っ込むかだ。
結論から言うと、標準シナリオでは山は2026年で終わらない。 Big 4のCapexは2025年の約$410Bから2026年に約$725Bへ跳ね、 2030年前後に年$1T超へ向かう。2031年以降は電力制約と効率化で減速するが、 2035年でも2024年以前とは別次元の水準が残る。
半導体相場の問いは「NVIDIAは高いか」ではない。 Big 4のCapex曲線が、いつピークアウトするかである。
下のグラフは、Microsoft、Amazon、Alphabet、MetaのBig 4を対象にした年次Capexモデル。 2020-2024は会社報告ベースの概算、2025-2026はFT/会社ガイダンス系の集計、 2027-2030はGoldmanの「Big 4累計$5.3T」見通しに合わせた標準シナリオ。 2031-2035はZVYX側の延長シナリオだ。
単年の$725Bは大きい。ただ、AI半導体サイクルにとってもっと重要なのは累計だ。 GPU、HBM、ネットワーク、冷却、電力設備は、1年で終わる需要ではなく複数年の建設波として出る。
標準シナリオでは、2025-2030だけでBig 4累計は約$5.3T。 2035まで含めると約$10T規模になる。 低位でも$6T台、高位なら$13T台。ここまでくると「AIブーム」ではなく、世界最大級の民間インフラ投資サイクルとして見る方が正しい。
もちろんCapex全額が半導体になるわけではない。 土地、建物、電力、冷却、リース、ネットワーク、ストレージが入る。 それでも、総Capexの35-45%がAIハードウェアへ流れるだけで、半導体側には巨大な床ができる。
標準シナリオの2030年では、Big 4の総Capexが約$1.3T。 その35-45%だけでも、AI半導体・HBM・ネットワーク周辺へ年$450B-$580B規模の需要が流れうる。 これが現在のAI半導体相場を支える「床」だ。
私の答えはこうだ。2026年で終わる可能性は低い。2028-2030が本当の山。ただし2030以降は、GPUを買えば伸びる単純な時期ではなくなる。 電力、変圧器、土地、冷却、人材、リース債務、推論効率がCapexの天井を決める。
AI半導体相場は、モデルの夢で上がっているように見えて、 実際にはハイパースケーラーのCapex曲線で支えられている。