『不労所得を作る』と言ったとき、まず候補に挙がる 2 本——JPMorgan の JEPQ(Nasdaq カバードコール、直近利回り 9% 台)と、Schwab の SCHD(配当貴族寄り、利回り 3.7% だが配当成長 CAGR 11% 超)。似て非なるこの 2 本を『今いくら貰えるか』だけで比較すると、10 年後に足元をすくわれる。この記事では (1) 両 ETF の中身、(2) 配当の源泉の違い(プレミアム収入 vs 企業キャッシュフロー)、(3) 下落相場での挙動、(4) 配当成長と元本成長の差、(5) ポートフォリオでの組み合わせ方——『コア SCHD + サテライト JEPQ』の雪だるま設計まで、数字で解きほぐす。
『不労所得を作る』と言われたとき真っ先に候補に挙がる 2 本——JEPQ(JPMorgan Nasdaq Premium Income、月次 9% 台)とSCHD(Schwab US Dividend、四半期 3.7% + 配当成長 CAGR 11% 超)。
『今いくら貰えるか』だけで比較すると、JEPQ の圧勝に見える。 だが 10 年後の Yield on Cost(投資元本に対する実効利回り)を足すと、 SCHD の方が逆転する——という構造がこの 2 本の本質。
本記事では (1) スペック比較、(2) 分配の源泉の違い(オプション・プレミアム vs 企業キャッシュフロー)、 (3) 相場局面別の挙動、(4) 10 年の雪だるまシミュレーション、(5) 実際のブレンド戦略 3 パターンまで掘り下げる。
まず中身を並べる。同じ『配当 ETF』という棚に置かれているが、設計思想は別物だ。
重要なのは分配の源泉の行。 JEPQ は構成銘柄(Nasdaq 100)からの配当ではなく、ELN(Equity-Linked Notes)経由のオプション・プレミアムを 毎月分配している。言い換えれば『ボラティリティが生む収入』。 一方 SCHD は企業が稼いだ現金を配当として受け取っているだけ。 全く違う源泉から水を引いている。
配当 ETF を選ぶとき『利回り % が高い方がお得』という直感は、半分正しくて半分危ない。 なぜなら、利回りの源泉によって『持続性・成長性・下落耐性』が大きく変わるからだ。
JEPQ は『ボラティリティを売っている』。 SCHD は『企業の成長を買っている』。 どちらが正しいかではなく、『何を時間軸に合わせて使うか』の問題。
2 本を 4 つの相場で比較する。
表の結論を 1 行で:横ばい相場では JEPQ が強い。上昇・下落・クラッシュでは SCHD が強い。つまり『今の相場観』をどう持つかで、どちらを厚くするかが変わる—— 2026 年春時点で AI ブームが続くなら JEPQ が美味しいが、 反動で大きな調整が来るなら SCHD の守備力が効く。
この『どちらが勝つか分からない』状況こそが、両方持つ理由になる。
元本 $100,000 を配当再投資で 10 年寝かせた場合の Yield on Cost(YoC · 投資元本に対する実効利回り)をざっくり試算すると、景色が逆転する。
※ 配当再投資 · 配当成長 CAGR の単純外挿による試算。元本価格の上昇・下落や税金・為替は考慮していません。 実際の分配は大きく変動します。
前提は単純化しているが、構造だけ見てほしい——
ここまでの構造を踏まえて、現実的なブレンドを 3 つ提示する。 それぞれ『誰が使うか』で最適解が変わる。
このサイトのトップにあるIncome Ladder セクションでは、元本を自由に動かして月次キャッシュフローを試算できる。 手元の元本 → 月次インカムの関係を肌感覚で掴むと、 どのブレンドが『自分の生活費をカバーするのにいくら必要か』が一瞬で分かる。
JEPQ と SCHD を『どちらが上か』で比較するのは、 スコップとスプーンを比べるような無意味さがある。
JEPQ は『今月のキャッシュフロー』を作る道具。 SCHD は『10 年後の YoC』を育てる道具。 両方持つ理由は、『時間軸が違う 2 つの問題を、1 つのポートフォリオで同時に解く』ため。
このサイトの編集部は、次のルールで組むのを推奨する(繰り返しますが、投資助言ではありません):
詳しい銘柄フレームはHoldings セクションを、月次設計はIncome Ladderを参照。